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            島崎貞夫さんの娘さんから

私の知らなかったこと

 私の父は、島崎貞夫です。私や家族の知らないレーサーだった父がここに在って、とても驚いています。自慢話をするような人ではないから、ほとんどが人から聞いた話ばかりで、本人の口からは聞いていないも同然だった。
 私の知っている島崎貞夫は、夕方6時前に家に帰り娘と台所に立ってご飯を作ったり、石神井公園に釣りに行ったり、手先が器用でハンダゴテで何でも修理したり、植木を育てるのが上手で、ドライブに行けばハンドルから手を離して娘に支えさせるといった、優しくて何でも出来て、楽しく、頼もしい父だった。
 いつか誰かが『その人のことは死んだ時に判る』と言っていたけれど、確かに弔辞を泣きながら読んでくれた方や、届いた沢山の花が、皆にとって父がどういう人だったのかを教えてくれました。
 きっと、まだまだ父のことは知らない事だらけだろうけど、ここに在る物を見れば少しは判るかもしれない。

                        (2004/02/25)


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