イラストレ−タ−柴田賢二さんの作品
1962年にホンダが世界グランプリ50ccクラスに投入した4ストローク単気筒のRC111が一新され、1962年第1回全日本ロードレース(鈴鹿)に世界初の4ストローク、2気筒50ccレーサーRC112がデビューした。。その後RC113,114と改良を重ねられた50ccレーサーは、1965年にエンジンが一新され、RC115となった。従来33×29mmだったボア・ストロークがショートストロークの34×27.4mmとなり、最大出力13ps/20,000rpm、最高速150km/h以上をマークした。このマシンを駆って、1965年にはラルフ・ブライアンズとルイジ・タベリの二人が7戦中5勝を挙げ、ブライアンズがチャンピオンを獲得し、ホンダに初の50ccタイトル(ライダー/メーカーの両方)をもたらしたのである。
1965 HONDA RC115

エンジン種類 空冷4サイクル2気筒DOHC4バルブギヤ駆動
排気量 49.8cm3
最高出力 over 13PS/20,000rpm
最高速度 over 150km/h
車両重量 50kg
変速機 9段変速
サスペンション(前) テレスコピック
サスペンション(後) スイングアーム
'65年世界選手権ロード50ccクラスにおいて7戦5勝して、ホンダ初の同クラスメーカーズ/ライダーズ チャンピオン獲得。(ダッチTT優勝車 No.6 R.ブライアンズ)
1965 / ホンダ RC115

RC115

 1964年の最終戦日本GPにデビューし、翌1965年にホンダに初めての50ccタイトルをもたらした記念すべきマシン。前年型RC114からエンジンのスープアップをはたしたのはもちろん、FRP製タンクの採用。前面投影面積を減少させるためにアップタイプとされたエキゾーストなど、随所に革新的なアレンジが見て取れる。しかしデリケートな面もあって、1965年シーズンはこのRC115と2RC114(RC114の2型)が使い分けられながらレースを戦った。

 それにしても、ボア・ストローク34×27.4mm、クランクピン経13mm、ピストンピン経8.5mm、バルブステム経3.5mm、ピストンリング厚0.6mmなど、驚愕の数値が並ぶエンジンは、ホンダの4ストローク技術のひとつの到達点でもあった。